企画もの コロコロコミック(99.03.03)

 コロコロコミックという雑誌は今思うと前衛的な漫画が多かった。今でもそうなのだろうか。なんていうのか、低年齢向け漫画の場合、「低年齢向けが故に許される無茶」というのがまかりとおるのだが、それにしても今思うと尋常ではなかったのではなかろうか。

 そのころの漫画の記憶を書いてみる。小学生の間のほとんどすべての期間読んでいたのかな。当時読んだ記憶があるタイトルを記載。タイトルに関しては

 Bizzarre Books Overdrive!!小学館てんとう虫コミックスリストを参照させていただきました。

 いまだと伏せ字で書きたくなるコメントも多いが、そのまんま記載。しかし何をおぼえてるか、っていうのは精神分析につかえそうですな。

「とどろけ!一番」

 記憶をたどるとこれは結構キーワードを覚えているな。受験戦士(!)轟一番を主人公とする熱血受験漫画。といっても塾のテストでひたすら対決するだけである。ゲームセンターあらしの「炎のコマ」に対応する基本技は「二枚がえし」。ライバルは常仁勝(つねにまさる)。塾長のスキンヘッドにサングラス、というのは完璧にヤクザ。

 なんと言っても四菱ハイユニ。主人公が自分で作るのだが、材料に鼻くそ入れるなよ。そのくせ芯はダイヤモンドより堅いという。同じ炭素からできているっていってもねえ。しかも、これ、武器になってたな。剣や矢のかわりになるの。

 しかもこの漫画、ラストの展開でいきなりボクシング漫画になるの。「いままでの努力はすべてこのためだったんだ!」とかいって。ここまでドラスチックに価値観の変換をおこなったのは子供心にスゲエな、とおもった。しかも対戦相手は最初のライバル、常仁勝! 熱血ものにありがちの、「最初の敵はレギュラーの味方」の法則通りのキャラクターだったのに! しかもパンチが早すぎて空気との摩擦で炎を生じるファイヤーブローをひっさげて!

 って炎のコマじゃねえか。覚えているのはそれだけかい。

 あとおぼえているエピソードってえと、時計を通信機にしたカンニングネタくらいか。

「ロボッ太くん」

 とりいかずよし。ストレートに下ネタ。細かい内容はぜんっぜんおぼえてない。がしかし、KPクラブ(きんぽこくらぶ)はないだろう。バッジまでつくっちゃってまあ。

 あ…なんか考えたくない方法で消火活動をしていた気が。

「ゴリポン君」

 みためがゴリラの不良?中学生。ギャグ。「さなだ虫ラーメン」「ラーメン風呂」「鼻の穴にはいっていくジェットコースター(ここで分岐)」という回のシーンだけがぱらぱらと。最終回では、みんなに白眼視されつつも学校におそってくる不良集団をひとりで撃退してひっそりとさる、という「突然シリアス」パターンであった。

「金メダルマン」

 鉄棒で金メダルをとった主人公が暴走族にはいって。つってもギャグ漫画なので設定としての意味しかない。しかし金メダルをとった技がケツ大車輪ってのはないよなあ。(それももれそうなのをおさえるため…)

「ゼロヨンQ太」

 チョロQ販促漫画。いまは「ポケットモンスター」というすさまじい販促漫画(を既にこえているか)がありますが、この漫画が販促連載漫画の元祖、といえるのかも。

 チョロQというのはゼンマイ仕掛けの、車のおもちゃ(プラスチック製)で、1つ300円くらいで売ってました。後部バンパーにコイン(10円玉がデフォルト)をはさむとウイリーする、とか、他愛ないギミックで遊んでました。で、コインを曲げるとカーブしたりして。

 漫画ではコインをぐにゃぐにゃにして無茶な曲線を走らせていました。複雑なカーブをさせようとコインをいじくり回して、ついにコインが割れてしまったとき、「これを使え」なんていうエピソードがあったな。あと、ゼリーの中のコースを使ったレースで、ゼリーを突き破って進んで逆転、なんてのも。

 しかしいまはミニ4駆だもんなあ、同じ車でも。

 恐竜のチョロQなんてのもあったな。口から火花をはくの。

「おじゃまユーレイくん」

 ユーレイを主人公としたお色気もの。主人公のユーレイが霊二郎で、お色気担当がこだま。しかし単行本の宣伝の「こだまのハダカもいっぱいよ」というキャッチをなぜ今覚えているのか。そういえば兄とその友人にこの漫画のハダカのシーンを見せられて、恥ずかしがるのを笑われたことを思い出した。

 ラストは感動的なストーリーに持っていくパターン。よいことをするとプラス、わるいことをするとマイナスにカウンターが動き、プラスまたはマイナス1万になると生まれ変わる(マイナスだと下等生物)というカウンターをキーアイテムとした展開になり、主人公がだんだん「いい人」になる。最後は機会のエラーでプラス1万になるが、故障であろうと生まれ変われるのは同じ。

 主人公は「こだまちゃんと同い年出なきゃヤダ! ユーレイのままでいい!」とさけび、その願いは叶えられる。と。

「あばれ!隼」

 ああ、これ結構好きだった。魔球漫画。敵が柳生(高校?)という忍者軍団みたいな存在。主人公は元ボクシングのチャンピオン。兄が柳生(宿敵の名前。こうだっけ)に殺された、と野球で復習に。

 最初の魔球は「パイルボール」。体を90度横に曲げて投げるサイドスロー。横になった兄の写真を見て思いつく。最初は土くれがバッターに当たる欠点が。足の動きでブロック(ほんとかよ)。

 しかしボールの周りが真空状態なので、バントをすると吸い込まれるようにボールに当たり、早い球なのでよくとび、ヒットになってしまう。そして柳生にはあっさりと普通のスイングでホームランを打たれる。

 落ち込む主人公。挫折しかけたところ「右がだめなら左で投げろ」と殴りつけるキャッチャー(もと番長か何か)。その言葉にヒントを得て「ダブルハリケーン」を開発。投げた直後に左手でボールに回転を与えることで、ボールはドーナツを描きながら飛ぶ。

 回転が収束するキャッチャーぎりぎりで打つ、といった秘策や「パイルボールとのコンビネーション」という新企画などでかなりもつ。

 つぎは「毎日無茶に投げ続けるとある日突然体がうそのように軽くなる」という現象の元、「ダブルハリケーン」が「グレートタイフーン(だっけ?)」に進化。竜巻上の軌道をえがきミットに収まる、でいいのかな。

 んで、クライマックス、最後の一球も新魔球。時速200キロ、ってかいてあったような。

 しかあし。魔球は覚えていても、ストーリーとか、しんっけんに忘れてるわ。

「ムツゴロウがゆく」

 きわめてまっとうな畑正憲(原作)の自伝的漫画。満州で少年時代を過ごし、北海道でヒグマを飼う。たぶん、今読んでも違和感はないはず。

 「体の調子が悪くても1日めしを食わなければなおる」ってコマを思い出した。「きゅう〜っ」ておなかがなってるの。そのよこで食ってるどんぶり飯がうまそうなの。

「超人キンタマン」

 っていうかさあ、もうタイトルからして泥酔してるよね。たしかウルトラマンみたいな外見だったとおもうんだけど。

「アカンベー」

 当時小学生だった私に「絵は藤子不二雄、内容はない」とこき下ろされてしまった漫画。

「ゲームセンターあらし」

 ここで語らなくてもみんなが語る。さとる、一平太は初期のライバル、後期の味方、という方程式はここでも採用。しかし必殺技の意味のない迫力。おもしろかったです。

 必殺技。炎のコマ、月面宙返り、エレクトリックサンダー、水魚のポーズ、出っ歯(ダイヤより硬い、永久歯に生え替わる回あり)、真空ハリケーン、真空ノヴァ。

「ひまで署オマワリくん」

 派出所。とにかく、年末ねたの会の歌だけおぼえてる。

 ジングルベルジングルベルクリスマス
 お正月にはタコ食べて
 おぞうにたらふく食べましょう
 はやくこいこいクリスマス

 いや、シュールでした。

「釣りバカ大将」

 釣り対決漫画。なんかルアーをグリーンみたいな的に落としていたような。

「ラジコンボーイ」

 ラジコン対決まんが。覚えてないなあ。赤い表紙の単行本しか。

「ドラえもん」

藤子不二雄の作品はメジャーすぎるのでこれだけ。

「おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの」というおそるべき価値観を子どもに紹介してしまった恐るべき漫画。にもかかわらずPTA推奨作品となった。この名セリフは藤子氏二人のどちらの発想だろう。

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