業田良家

 けっこうイタイ漫画を書く人だと思っています。ですんで、私は「大好き!」っていうよりは、「すごい!」っていう漫画の方が多いです。はい。

「世直し源さん」(「ヨシイエ童話1〜4」ヤンマガKCスペシャル)

 えっと。これは「大好き!」な漫画です。とにかく何はさておき「国会議員性根叩き直し法案」。これがすごすぎ。この発想、好きだなあ。

というのがその骨子です。んでもって、それを実現させるキャラクターが、ステテコに腹巻きのテキスタイルの源さん(冒頭からすでに内閣総理大臣)。発想もすごいし、話の進みかたも完璧です。そして何より、漫画として楽しい。

 「ヨシイエ童話」は、新シリーズ「LOVE男」として続いているのだが、続巻は入手できていない。こちらは期待できる展開で止まっているので何ともいえない。オープニングのインパクトでは源さんの圧勝。

「シアターアッパレ」

 政治4コマ。十分おもしろかった。今となると「歴史的資料」になってしまっているのが何とも。中曽根さんがまだ表舞台にいて、リクルート事件があって、土井たかこが「やるっきゃない」と叫んでいたころの話ですから。

 んでも、「リクルート地蔵」(宮沢喜一)がいまや大蔵大臣ですか。時代も変わったものですね。

「自虐の詩」

 えっと。この話はとってもイタイんで、私苦手です。すくなくとも笑えません。きっついわあこれ。この漫画がストレートに楽しめる人は幸せなのだろうか? というのはともかくとして。まあ、すごいです。「純文学」なんて陳腐な表現をしたくなるような。

 一般的に不幸な人がただただ不幸なだけではない――とか何とか、受け止め方は様々であろう。という意味で、これは「文学」である。という死に絶えたレトリックで逃げてみました。

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