柊あおい

 いわゆる少女漫画のラブストーリー。それにつきてしまうが、読んで面白いです。出版社はいずれも集英社りぼんマスコットコミックスです。

星の瞳のシルエット(柊あおい)  

 全10巻。ラブストーリーの王道です。ぶっちゃけた形で書いてしまえば、両思いのはずの二人が、友達との関係でなかなかうまくいかない、という内容です。読んだ後で冷静に考えるとちょっと話に無理があるような気もしてしまうのですが、それはご愛敬。

 ラブストーリーの王道らしく、キャラクターの心情が、詩のような文でかかれているのですが、それがポイントかなあ。たとえば、「借りちゃった 久住くんの教科書 久住くんのノート」「あんな 人  どこにもいないわ 世界中じゅう 探したってどこにも」とか。ここにこう書いてもぴんときませんが、空白の取り方がいかにも少女の書く詩のようになっています。

 読んでない人ごめんなさい。やっぱりどうしても気になってしまうのが、最後の方のワンシーン。決めのセリフがあまりにも唐突で安っぽい。ある意味、中学生の言う言葉としてリアリティはあるのかもしれないが、結構さめてしまう。「・・・信じていたい どんなときも」はないだろう。「わかりやすい言葉、シンプルな表現」がおもいっきり裏目に出た形。

 「ENGAGE」という短編集に続編がありますが、これは「ゆきちゃん」がすべて。おケイとゆきちゃんの話をもっと全面に出した方が面白かったかな。

銀色のハーモニー

 全7巻。完成度で言えば「星の瞳のシルエット」よりは少しおちます。が、大人二人や「奏ちゃん」「海くん」といった魅力的なキャラクターは多い。あ、書いてみて思った。主人公の印象が薄いんだ。うん、サブキャラクターの魅力がこの漫画のおもしろさだ。(って、なんかほめてないな、この文章)

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