小花美穂

「こどものおもちゃ」

 深刻なテーマをさらっと語る、というスタイルは抜群。キャラクターの「虚構らしさ」が深刻さをさらっと隠しているのだと思う。あ、悪口じゃありません。あんまり登場人物がリアルだとつらいだけだから。虚構の中に突然「リアル」を感じさせるのがすばらしい。単行本で追いかけている私としては今後が非常に楽しみ。

 娘と私(しかし当たり前なタイトルだ。これで人気作家になるには内容がよほどおもしろくないと…)のくだりはあれだけ伏線を張っていたにもかかわらずちょっと唐突な感じを受けたが、それでもテーマそのものはおもしろいと思った。

 実際、「世間がどう思っても関係ない(というか最初から気にしていない)」、母がどう思っているかだけが気になる、というのは妙にリアリティを感じる。

短編集の「猫の島」もよい。

 9巻を読んで。救われないよお。私はどちらかというと幸せに終わるのがとっても好きなので、「りぼん」という媒体の性格上、無条件にこのまんがにもハッピーエンドを期待してしまう。だから、今のトラブルが解決するのが(単行本ベースで)半年後、というのはちょっと待ち遠しい。←だから私、全巻そろった漫画をまとめて買う方が好き。

 10巻。完結しましたね。幸せに終わりましたね。泣いちゃいましたね。ええ。いやあよかったよかった。んでも。強いねえ。みんな。すごいすごい。いい漫画でした。ま、最後のエピソードはなんだか微妙なところではありましたがね。

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