.第16回 シャンプーハット(98.07.07)

 ハーブキャンディ(ラージ缶)を買いに薬局にいってシャンプーハットなるものが目にとまった。子どもの頃、シャンプーやお湯が目に入らぬようにかぶるあれである。由緒正しき幼児専用グッズだ。果たして、これはどのくらいの普及率があるものなのだろう。私は使っていたのだが。

 シャンプーハット。これがなくてもきっと子どもは頭が洗える。少なくとも、日本人がシャンプーハットを使い始めて100年は経っていないだろう。製品が欲望(というほどでもないか)をつくる好例であろう。

 問題は、私がそのシャンプーハットにかなりの興味を持ってしまった点にある。さすがに使ってみたいとは思わなかったが。ひょっとしてこんなものに興味を持つのは、ある意味普通の変態以上に変態かも知れぬではないか。いや待て、少なくとも中古には興味はないぞ、ああぁぁ、なんて方向に。

 498円。安い。多分。私の好きな緑色がある。

 じゃない。

 このような児童向けグッズの最大の醍醐味とは何か。

 「大人になってから使うこと」では断じてない。

 「使うのをやめること」である。

 「ひとつおとなになったような気分」を味わうわけだ。補助輪がいらなくなったときのような。うん、目に留まったわけがわかった。何歳の時かも覚えていないが、たしかにシャンプーハットを使うのをやめたときの誇らしさ、という感覚があった気がする。それは、一人でお風呂に入ったのとどっちが先だったろうか。うん。

 さて。「ひとつおとなになったような気分」であるが。中学生といった、思春期以降のあれやこれやあんなことはともかくとして。もっと手前の時期ではどんなことがあったんだろう。「おしゃぶりをやめたとき」なんて人もいたりして。私はおしゃぶりを使っていた記憶そのものがもうないんですが。(写真はあったんじゃないかな)

 ところで。シャンプーハットって、みなさん知ってますよね?

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