人が死ぬ。 実感できない。 あるとき、 全く関係ない瞬間に、 悲しみがわき出す。 これは感動の王道パターンだ。
少なくとも、私にはそうである。 とにかく、上記のエッセンスには、深く共感してしまう。 膝の力が抜けていく感覚が、リアルに想像できる。
初めてこのパターンにふれたのは村上春樹だっただろうか。
友人が死んだ。 もう3年を越える。 海外で亡くなった、らしい。
ひとりではまず行かない吉野屋で、並に七味を振りかけていて、突然思い出した。 妙にハイテンションだった夜、出かけて食べたのを。 夏の夜だった。 そこで、牛丼をおもむろに食べはじめてしまうところが 現実の悲しさなんだろう。 相変わらず旨くなかった。