YOMUKA日記過去分 [perv] [next] [list] [new] [top]

2000.12.31 Sun. 00(ALL YEAR)

日付逆順。

00/12/31

今年の収穫はやっぱり加納朋子と出会えたことかと思います。「ななつのこ」自体は随分前から本屋さんで目にしていたのですが、手にしたのがようやく今年の10月だったのはなんだか不思議な気分。「ななつのこ」シリーズ三作目、e-novelsのみで販売の「スペース」も傑作でした。

00/11/30

ディスプレイがお亡くなりになまりした。8年ほどの利用だったのですが、突然1本の線しか写らなくなったのには参りました。はい。

00/11/27

シグマリオンにおおはまりして、そちらのwebページを作成して、すっかりそちらにかかりきりになっていました。いまのところクロスリンクはしていません。

「ななつのこ」加納朋子

この間の大ヒットといえばやはり「加納朋子」。「ななつのこ」を今まで読んでいなかったのはかなりの不覚。私にとっては間違いなくここ数年のベスト1です。感動しました。やはり創元推理文庫はひととおり読むべきですね。ほかの作品もじっくりと読み進めていますが、やはりベスト1はいまのところこれです。

ミステリとかなんとか、そういう範疇を越えてものすごく心地よくよめました。

「じゃじゃ馬グルーミンUP!」(ゆうきまさみ)、完結。いい漫画でした。

00/10/23

「シグマリオン」というWINDOWSCE機を買いました。7月にLIBLETTO1100SS(WIN98、ミニノート)を買っているんだから馬鹿みたいですね。衝動買いです。電源ON/OFFやバッテリ駆動時間に潜在的な不満を持っていたところにスタイルのいいマシンがでてしまい、衝動買いしてしまいました。かかった経費は7万円くらい。

最初は違和感があったんだけど、今の時点での不満はないものねだり1点だけ。だれか、個人でもメーカーでも、縦書きのできるエディタ開発してください。いままでの"O's EDITOR(http://ospage.com/index.html)"が快適すぎたので……ノートで日本語の文章を書く場合、桁数より行数が確保できる縦書きの方が嬉しいんです。

で、そういう設定をしていたので土日で1冊も本をよまない、というめずらしい月になりました。といいつつ、「かってに改蔵」9巻を今更購入して読んだのは内緒。相変わらず傑作です。今回のカバー裏は必見。

00/10/20

竹本健治「鏡面のクー」ハルキ文庫

 前回書いたやつの続編。これはかなり気分の悪い小説でした。それが魅力なのは百も承知ですが……。まあ、前回は中途半端で、今回は受け付けないっていう、典型的なわがままな感想です。ああ、エンディングのあれ、ちゃんと文字を追いかけていません。インパクトはありました。それでも、前作をこれだけつきはなした構成は見事。

00/10/16

麻耶雄嵩「木製の王子」「あいにくの雨で」など

 麻耶雄嵩について。ある意味、はっきりネタを割ってしまっています。一通り読み返して思ったのは、ポイントのずらし方。トリックそのものよりも、「荒唐無稽な現象を成立させる背景」によってミステリを成立させている。が、それ故に最初読んだときは違和感がつよかったです。っていうか、読み飛ばしてそれっきりだったんですが。

 まあ、一歩間違えると「ご都合主義」といえそうな話を成立させる雰囲気作りは嫌いではないのですが、やはりいまいちすっきりしません。やっぱり、メルカトルという存在の中途半端さが気になるのかな。そういう意味で、「メルカトル」「木更津」という私にとっては余分なキャラクターがいないぶん、「あいにくの雨で」が一番楽しめました。

 うゆーさんととーりさんについてはね、とにかくとーりさんのほうが人間という気がしません。それについての説明もいずれあるのかもしれないが、あの存在感の希薄さはただごとではないのではないかと。

 しかし、シリーズキャラクターを否定する、というのは評価としては一番厳しいような。ああ、でも、読むんですけどね……

竹本健治「クー」ハルキ文庫

 未読でした。解説から先に読んだんだけど、どんなに救いがなくていやな読後感かと覚悟して読んでいたら以外にそうでもなくて拍子抜け。ああでも、それは陵辱シーンを完全に突き放して読んでしまったからかなあ。まあおもしろかったんだけど、中途半端な印象。 設定は魅力的なんだけどな。

レイモンド・チャンドラー「プレイバック」読みました。ああ……

00/10/02

居間に本棚が出来ました。嬉しい。

友人に勧められて本を読む。随分久しぶりかも。

三雲岳斗「M.G.H.」「海底密室」

 発表順は上記の通りだが、読んだのは海底密室から。正当派SFミステリ(で売れたもの)といっていいんでしょう。きっと。先に海底密室を読んだ感覚では、森博嗣に近いものを感じた。テクノロジィが進化した環境、そこでの孤独感。あるいは「みなが孤独と考えるけど、じつはそうではない」環境。といっても、その方向性はちょっと方向が違っていて、うまく言葉に出来ないんだけど、好きです。

 私なんかも、食える環境さえあれば、まったく人に会おうとしなくなるであろう口なので、こういう世界観はとても共感できるのです。トリックの方は、例によってあんまり興味がありません。トリックだけとるならM.G.H.の方が上かなあ。

加藤元浩「Q.E.D.」

 これは漫画のほう。マガジンGREATで連載、6巻まで読みました。けっこう丁寧にミステリしてます。探偵役の相馬君のキャラクターもいい意味でうさんくさくていいです。

レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」「さらば愛しき女よ」

 いやさ、「男は強くなくては……」のフレーズの原点読んだことなくって、読んでおこうと思ったら、それは「プレイバック」だったんですねえ……お話の方はね、まあ……ああ、ハードボイルドじゃなくて探偵小説だったのか……それもしらなかったの。

ひさびさに列挙。

「クリーム色の旅行鞄(赤川次郎)」はいはい、買いました。
「とりあえずの殺人(赤川次郎)」旧2作をおとしめてる気がするなあ……
「3×3EYES(高田裕三)」いや、34巻まで突然買ってみたの。
「「あると」の「あ」(赤石路代)」少女漫画。この人の漫画は「P.A.」以来か。
「ごくせん(森本梢子)」すげえ……
「推理小説常習犯(森雅裕)」あるいみすげえ……

00/09/20

「火蛾」

読ませますが、そこまで。ペダンチックな話はあまり好みではないので、どうしてもそういう評価になってしまいます。でも、文章はいいな。

「スクランブル」若竹七海

これは好きです。トリックとか何とか、というのは抜きにして、空気が好きです。まあ、この手の学校の描写は個人的にはちとつらいんですが。

「天才ファミリー・カンパニー」二ノ宮知子

あの「平成よっぱらい研究所」を描いた彼女の初長編。いや〜、やっぱり空気がいいわあ。深刻なんだけど、どこか突き抜けていて。天才の書き分け(これは描きわけとはいわないでしょう)もみごと。

00/09/14

夢野久作、という作家を知っているでしょうか。かの話題作「ドグラ・マグラ」の作家としてその名を知られています。

あの作品の虜になってしまった人数や数知れず。構造的に難解な上に、不用意にあるシーンの説明を始めると
致命的なまでにネタを割ってしまうこともあり、解説泣かせの作品です。

わたしはどう思ったかといいますと、「すっげェ…」と思ったのは確かなのですが、「面白い…」と思わなかったのも本当です。森博嗣は批評とは、採るか、採らないかであると浮遊工作室で書いていました。それにのっていえば、「ドグラ・マグラ」は採りません。

そんな私が、kyusaku@dream.comなどとゆうアドレスを取得してしまいました。もともとは本名から作ったハンドルを使おうとしていたのですが、すでに取得されてしまっていたのです。いままでmbn.or.jpドメインでとれていたものがdream.comドメインでとれなくなるのはどうかなあ…とも思うのですが、まあ、死蔵アドレスの数を考えるとしょうがないのかな…

ブウウンン…ではじまる、雰囲気作りは秀逸なのですが……

00/08/22

ぼちぼちと行きましょう。さすがに3ヶ月ともなると取捨選択に迷います。今日ならべた作品は、面白かったという条件のほかに、左の本棚をみてあった、という寒い条件で拾いました。

「真っ暗な夜明け」氷川透

ああ、こういうねちねちしたミステリ、好きだなあ。主人公の屈折かげんはちょっと鼻につくんだけれど、まあそれが持ち味、になってくれることを祈ります。ほら、法月倫太郎みたいに。

「密室は眠れないパズル」氷川透

んで、これが2作目。出版社で殺人。これもねちねちしてるんだけど、ちょっとくどいかな。なんと言っても、ネタが割れすぎているのが問題。

「依存」西澤靖彦

ああ、これは…おもしろかったです。反則な気もするんだけど…

「創元推理文庫の全集」天藤真

なんか至る所で赤川次郎と比較されてます。さもありなん。すっごくよくできた赤川次郎作品と同等の評価をしています。しつこいセックス描写、まだ男が強い社会、あたりが相違点か。1週間で一気読みする程度には楽しめました。

「Yの悲劇」バーナビー・ロス(エラリイ・クイーン)

アンソロジーを読んだあと、あらためて原典にあたってみました。アンソロジーのほうはノーコメント。原典は楽しめました。読んだの、実に15年ぶりくらいか。小学生の時以来。当時、あのトリックの心がよく分からなかったんだよなあ。

「女王の百年密室」森博嗣

ああ、この世界好き。採ります。

「ジュリエットの悲鳴」有栖川有栖

短編集。切れ味は…うーん…いやさあ、○太郎シリーズって、そんなにおもしろい?

「殺竜事件」遠野塚浩平

やっぱりうまいよなあ。世界観の設定が上手い。最小限のキーワードで世界が構築できている。とくに、「奇跡」が与えられたときに、まずなにをするのか、というのは盲点でした。毒されてるなあ…

「拳児」藤原芳秀/松田隆智

いやあ、ハッタリつよいなあ、これ。八極拳がこんなにトンデモ系な拳法だったとわ。ひさしぶりに読み返して絶句した少年漫画です。ほめ言葉。

00/05/30

「建築家桜井京介の事件簿シリーズ」篠田真由美

 シリーズもの。5作目まで読みました。WEBで同じような記述を読んだ覚えがあるが、5作目である「原罪の庭」は傑作。これを読むためだけに5冊目まで読む価値がある。ちょうど森博嗣の「有限と微少のパン」みたいなものか。

 シリーズキャラの背景が魅力。正直、いわゆる謎解きはどうでもいいです。「殺人」というのはこの場合シチュエーションのひとつにすぎません。

「”LOVe”」石渡治

 サンデーコミックス全30巻。えっと。週間連載が終わった時点、99/02/03に、「時間軸のいきなりの変化がなんだかなあ…」という感想をもらしていますが、単行本で読むとなんだか納得してしまいます。セガワの扱いは何としても。痛快な漫画でした。

「修羅の門」川原正敏

 少年マガジンコミックス全31巻。依然読んだ当時は「陸奥」の「無敵さ加減」というか、ゴルゴ13ライクな雰囲気を感じ取れたのですが、今読むと少年漫画の「かわいらしさ」が結構強いな、と思いました。「拳児」なんかもそうかもしれない。

「コータローまかりとおる!」蛭田達也

 少年マガジンコミックスワイド版31巻。確かマガジン最長連載。柔道編もあわせれば現時点で80巻を越えている。

 わかりやすく少年漫画だと思います。格闘系漫画から、いきなりバンド漫画にしてしまってもOKなキャラ立ちは見事。楽しめます。

「かってに改蔵」久米田康治

 サンデーコミックスで7巻まで発売中。えっと、なんていうのか、古典的なギャグ漫画の正統的な後継作とでもいいましょうか。「あ〜る」とか、「とんちんかん」とか、「奇面組」とか。元ネタの深さを考えると「あ〜る」に一番近いんじゃないかな、と思います。それでもちょっとずれるけど。傑作。

「ブギーポップ・デュアル」高野真之/上遠野浩平

 ブギーポップの漫画版。まあ商売ですね。まあまあおもしろいんですが、ねえ。どっちかというとテレビアニメのシナリオのほうが楽しめました。

「スマイルfor美衣」里見桂

 いや、この漫画ほしかったんだよねえ。オークションで落札しました。「NIGHTバード」や、「なんか妖かい?」もついてきましたが、やっぱりこれが一番。あおきてつお「こっとん鉄丸」を読み返したときと同じ感覚がよみがえりました。まんがですなあ。

00/03/29

「オルファクトグラム」井上夢人

 「におい」を視覚として認知する能力をもつ主人公。姉を殺されてしまうが、そのとき犯人に殴られたのをきっかけにその能力を身につける。そして「におい」を手がかりに犯人を追うことになる。

 この話の醍醐味は「殺人」にあるのではない。「におい」が視覚化されるその描写や、そんな能力を身につけてしまった主人公の困惑と行動が魅力的なのであって、その能力を使用する目的は別に「殺人事件の解決」で
ある必要はない。いや、もちろん、「殺人事件」でもとっても面白かったんですが。

 「虹を操る少年」(東野圭吾)を思い出しました。

「パズルゲーム はいすくーる」野間美由紀

 2,28巻をのぞく31巻まで読んでみました。トリック重視のミステリの割合はあんまり高くありませんが、ところどころに小ネタがしこんであって気持ちいい。あ、漫画です。

 好みにもよるけれど、「コナン」よりキャラクターが面白いかな。あんまり「けれん」はありません。いい意味で。

「H2」あだち充

 過去最長連載。34巻で完結しました。しかし、いままでとは逆のくみあわせにしたのはいいんですが、あまりにも何もなく終わってしまいましたね。それが持ち味なのは百も承知ですが、それでもちょっとがっかり。

00/03/21

「名探偵コナン」青山剛昌

 漫画ですね。今日本で一番売れている、んじゃないかな。現在26巻まで刊行中。まとめて買って読んでみました。ああ、本当に江戸川乱歩の世界なんだ。もう、すんごくわかりやすく。そういう漫画だってこと、初めて知りました。おもしろいかって? 私は怪盗キッドのほうが好きです。漫画らしくて。

00/03/12

「アルバイト探偵(アイ)」シリーズ(5冊) 大沢在昌

えっと。こういうこと書くと怒られるかもしれませんが、なんか文章の読みやすさ、基本的な文章に赤川次郎に近いものを感じます。そんな感じがストレートにでた感じ。

00/03/04

「ターン」北村 薫

 ああなるほど、こういう「ターン」かあ。二人称による文章はやっぱりちょっと引っかかるけど、こういう光景は好きだなあ。最後のほうのイベントにはあまりしっくりこないものを感じたけど、まあそんなものでしょうか。実際、主人公みたいに良心的に暮らせる、というキャラクターの方が例外でしょうし。あ、でも、かなり好きです。これ。

タイトル列挙。(手抜き)
「Q.E.D.ベイカー街の問題」「Q.E.D.百人一首の呪」「ウインクで乾杯」「ブルータスの心臓」「アルバイト探偵(アイ)」「0の殺人」「パイナップルARMY(漫画)」「兇殺のミッシング・リンク」

00/02/27

「ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ」霧舎 巧

 あ、これ好きだわ。キャラクター設定にずれはあるけれど、「双子館の殺人」ですね。まあ、そういうレッテルを安易にはるのは何ですが。

00/02/21

 マッサージ器、なんてものを買ってしまいました。会社に勤めてからの最高金額です。まだ20代だというのに。(でも嬉しい)

「浪速少年探偵団」「しのぶセンセにサヨナラ」東野圭吾

 東野圭吾が続きます。小学校教師のしのぶセンセを探偵役としたミステリ。おそらく魅力の中心は「大阪弁」にあるのでしょう。この2冊を語るときはかならずついて回ることと思います。で、「謎解き」よりも醍醐味は、「キャラクタ」「雰囲気」にあるのでしょう。東野版「じゃりん子チエ」っていうのはちと無理か。

「ブギーポップ カウントダウン エンブリオ炎上」遠野塚浩平

 ブギーポップシリーズの最新作にしてカウントダウンの続編。前作を忘れていたらちょっとつらかったので前作を読み返してから。シリーズの中での評価は今ひとつでした。残念ながら。「サムライ」というキャラクター自体は魅力的なんだけど、どちらかというとブギーポップの敵にしたほうが引き立つんじゃ…なんて余計な事を考えてしまいました。対する「フォルテッシモ」の印象が薄いからでしょうか。メインである「エンブリオ」もぴんとこないし。このシリーズの持ち味である「神の視点の不在」がうまく生きませんでした。


00/02/20

PS2の予約、一応できました。(www.jp.playstiaion.com) 発売日に届くかどうかいまいち心許ないけれど。しかし金曜日からトライして今日の15時になってしまうとは。今日はなんとなく取り上げそびれていた本を。

「すべてがEになる」森博嗣

 いわずとしれた浮遊工作室の近況報告の99年分を一冊にしたもの。活字で読むと…というのはさておき、「森ドリル」が作れてしまう内容の濃さはやはりさすがです。柳沢教授との競演が非常によかった。

フラワーコミックス「P・A(プライベートアクトレス)」赤石路代

 現実で演じる…半分詐欺のような職業であるプライベートアクトレス(アクター)。その設定の生かし方がうまかった。細かい部分の整合性やリアリティを無視して突き進むパワーが漫画らしく、楽しめた。

「看寿賞作品集」詰将棋パラダイス編

 えっと。詰将棋の本です。私、詰め将棋はあまり詳しくないんですが、ここまですごいパズルだったとは。問題と解答を追いかけるだけで感動です。すべての種類の間駒が2回ずつでてくる「七対子」とか(ほかの種類の間駒では早く詰んでしまう)、現在最大詰手数の「ミクロコスモス」などなど。

00/02/19

「白夜行」東野圭吾

 えっと。99年の話題作。これだけ徹底して「書かないこと」で主犯? を描写するのはお見事。シーンのところどころで、氏のエッセイ「あの頃ぼくらはアホでした」が響きます。直前にこのエッセイを読んでいたのは偶然とはいえ、より楽しむことができたのではないかと思います。

00/02/07

講談社文庫「放課後」東野圭吾

 いまさらデビュー作など。これがデビュー作ですか。お見事。こういう「トリック」って、最近読んだ本で目にしていなかったぶん、なんだか新鮮でした。シンプルイズベスト。

講談社文庫「卒業 雪月花殺人ゲーム」東野圭吾

 で、こっちのトリックは印象が薄いです。お話が面白かったのでノープロブレム。

講談社文庫「魔球」東野圭吾

 3冊め。やっぱりこの人の各キャラクターの「痛さ」はいいです。

「どすこい(仮)」京極夏彦

 なにが面白いのでしょうか。寒いファンアイテム以上の評価ができません。がっかり。

00/01/26

「焦茶色のパステル」岡嶋二人

 江戸川乱歩賞受賞作。競馬評論家の夫が殺されるところから始まる。どうもまだこなれてないな、という印象が強い。ストーリーテリングがもっとうまいはずなのに…と思ってしまう。デビュー作から、あきらかにうまくなっていったわけですね。

 もちろん、お話の方は楽しい。メイントリックも、それとはずれたラインで進行していた犯罪も。

「ダブルダウン」岡嶋二人

 で、デビューしてしばらくたってからのお話。こちらは井上夢人(岡嶋二人の一人)が「僕たちは最低の作品を書いた」と「おかしな二人」で述べている作品。が、ストーリーテリングのおかげで、結構読ませる。赤川次郎の中期以降の作品を感じさせる。

「海神(ネプチューン)の晩餐」若竹七海

 タイタニックの沈没でなくなった推理作家、ジャック・フュートレル(通常、ジャック・フットレル)が遺稿をのこしていた、という伝で始まり、現実の事件も船の上で起こる。作中作のトリックと、船の上の現実のトリックのかみ合わせが小気味よい。

 また、作中作のジャック・フュートレルの文体模写もよくできている。(ただ、私は翻訳版しか読んでいませんが)

「天使の耳」東野圭吾

 交通事故をテーマにした連作短編集。切れ味いいなあ。また、表題作のエンディング、最高。やっぱりこうでなくっちゃ。

「殺戮のための超・絶・技・巧」「タンブーラの人形遣い」竹本健治

 「パーミリオンのネコ」シリーズ。解説でも書きたい放題かかれているが、様々なジャンルの持ち味が複雑に混ざっている。まあ正直、そういわれてみると印象は散漫である。

00/01/23

講談社ノベルス「悪意」東野圭吾。人気作家である友人を訪ねたところ、その友人が殺された−−という童話作家の記述よりはじまる。冒頭から、これは「アレ」じゃないかな…と思って読んでいたら、物語の真ん中で既に「アレ」
になってしまっていて、あれ? と思っていたらやられました。お見事。

講談社ノベルス「ある閉ざされた雪の山荘で」東野圭吾。あれ? これも「アレ」じゃないかな…と思って読んでいたら、これはいちおう「アレ」でした。予定調和、と言う意味では楽しめました。虚構くささがいいよね、いろんな意味で。

講談社ノベルス「変身」東野圭吾。移植もののバリエーションの1つとしてはまあまあ。「いまはもういなあたしへ…」(新井素子)のほうが怖かったかな。

00/01/18

 講談社文庫「テロリストのパラソル」藤原伊織。乱歩賞&直木賞受賞作、ということで非常に有名。タイトルの意味が分かる瞬間が非常によかった。超良質ハードボイルド。

00/01/17

 講談社文庫「天使の耳」東野圭吾。この人の短編集はいいなあ。光文社文庫「犯人のいない殺人の夜」でも思った。切れ味のあるストーリー、味わい深いエンディング。お見事。

00/01/16

 本棚をDINOSの通信販売で購入。パソコンラックを追放して、その背後の壁に配置。しかし、買った直後に7割方埋まってしまったのはどういうことか。

 講談社ノベルス「月は幽咽のデバイス」森博嗣。ああ、何でこのシリーズにぴんとこないか、というのが非常によくわかった。「キャラクターにシンパシィを感じないキャラクター小説」なんだ、これ。犀川と萌絵ほどわかりやすい推理のやりとりがあるわけでなし、見事なトリックがあるわけでなし、「人が死ぬこと」にたいする周りの反応がおもしろいわけでもないし。んで、保呂草や紅子などの会話が楽しめるかどうか、の1点なんだ、これ。

 西沢保彦の本、ひととおり入手or注文しました。角川書店「スコッチ・ゲーム」は好きですね。この本の中のタカチの行動に、まさしく小説ならではの醍醐味を感じます。それと、このシリーズの基本となる、「答えが確定していない状態での無責任な討論」が特にいい。

 講談社文庫「七日間の身代金」岡嶋二人。「おかしな二人」を読んで以来の久しぶりの岡嶋二人。やっぱり、ストーリーテリングが抜群にいい。このなんともいえない引き込み方は、さすがです。

00/01/01

キーボードをKB211(富士通製親指シフトキーボード)に変えた。おおむね快適だが、まだなれない。

「思考機械の事件簿」

講談社文庫「名探偵の呪縛」(東野圭吾)。これは楽しかった。「名探偵の掟」が合わなかったので読んでなかったんだけど、これはいいです。細かいネタの集合と、私小説風の述懐。

講談社文庫「人形はこたつで推理する」「人形は遠足で推理する」(我孫子武丸)。「こたつ」のほうがおもしろかったかな。鞠夫というキャラクターがすべてでしょう。遠足、になるとちょっと非現実感か悪い方向に出てしまった感じ。

講談社文庫「密閉教室」(法月倫太郎)も楽しかった。

「冬のオペラ」(北村薫)。「探偵映画」(我孫子武丸)。「地獄の奇術師」(二階堂黎人)。「バラ迷宮」(二階堂黎人)。

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Akiary v.0.42