WFPを振り返る:13 歩合限定と持駒歩

協力系のルールでは性能が低い上に打歩詰という成約まである歩合が妙手になる。というわけで歩合限定の協力詰が募集された。結果はWFP13号掲載。読み返す限り課題作の募集はWFP初なのかな。

手が限定されているので解くのは難しくはないが、それでも香ともう1枚で詰むのが歩しかない、というのはなかなかに衝撃がある。17龍、18歩、同龍、同玉、19歩、28玉、37銀、17玉、18香まで。

追記:改作図があった。面積さらに減少。

移動合ならこれだ。同じく13号。

歩移動合の前にもう一つ合駒が飛び出す。71歩が大変に惜しいがそれでも素晴らしい出来だろう。
85飛、75飛、同飛、65歩、53飛、64玉、73飛行成まで。
流石に71歩がないときの1つしかない余詰をエコーと言い張る価値観が認められる世界線はなさそうだ。……ないよね?

これらと並べるとちょっとアレだが、前に他のルールで試してまあまとまったかな、というのがこれ。旧作。

簡単な問題としてはありなんじゃないでしょうか。x4ccでこそひっかからないけど、見つけている人はまあ確実にいるだろう図面。キルケにおける歩の強さ。まあ23に駒をおいた時点で歩合を取るのは自明っぽいんだけど、23に駒を発生させるところから始めるのは難しそうだ。

29香、28歩、同香、16玉、17歩、15玉、16歩まで。

26玉にして攻方29歩を置くと打歩回避っぽい玉の動きが見られるけど、どうなんでしょうねえ。

4手目15玉は打歩詰。

歩がらみで、2024/8月号の詰パラで「持駒1枚、歩(香)でないと不詰の詰将棋、駒数少ないほうが偉い」というパズルが出題されている。フェアリーだとどうなんでしょうね。歩でないと不完全、ではなく不詰は難しそう。どんなフェアリールールならそれなりのハードルになるかしら。とはいえ、性能変化系でも香との差別化問題があるので、簡単ではないか。

……とか考えてたんだけど、ハードルを下げれば簡単で、「持駒歩のときと同手数以下では詰まない」なら難しくない。が、自作の図面があまりにあまりだったので、springs氏の詰将棋メーカーの協力詰9手からお借りする。

盤面7枚から限定歩合のこれも美しい図。途中図をすこしいじって、

この図が持駒歩以外は5手では詰まない。簡素でこれはこれでありがたい。

高いハードルを超えてくださったのはひっぽ氏@psychokaba(X)。 歩以外の駒では何手あっても詰まない図。

逆王手(角桂x)、16玉(銀x*)、25銀、同玉(飛香金x)、24と、16玉、17香まで。
(*初手36金があるので金が否定できるのは4手目)

手が限定されているうちにすべての他の持ち駒の可能性を消しているため、超手数の余詰はありえない。いやはや参りました。

同じくひっぽ氏作で、歩合の図も参考までに。詰将棋メーカー2024/03/21 協力詰9手です。この図の創作経験が上の図に生きたそうです。