WFP28号から、今回は妖精賞特集。
今これを解こうとすると24金までだとやーねー、とか思いそう。協力自玉であろうと金でとどめはあまり美しくないよね、という感覚。当時はそんなこと思っていなかったなあ。ありがたいことに違う筋。なお、24金まで14手で詰めるのも通常出てこない順なので逆に時間がかかった。飛車を95から打ち右に追い飛車をもらいつつ62角でふさぐ。
58角の直射を避ける47飛の感触がいいですね。
対抗形ルールであることが売りか。77歩、同角を繰り返して最後の歩打。同角と取り返すと打歩、という法則系。ついでに逆から見ても同手順、回文詰だ、という主張。目が肥えた今見ると「ふうん」というのが正直なところだが、当時は「へええ」と割と感心していた記憶がある。
本命。逆に当時は並べもしなかったなあ、ということで鑑賞しよう。神無一族の氾濫掲載作で既存の解説が充実してるが、途中図に意味があるの精神でいきましょう。
構造から言えば歩稼ぎxミニ寿限無＋はがし。ちょっと追うと分かるが、不自由な龍のほかはまっすぐ動く歩香しか入らない。通常香で歩稼ぎをすると歩合と香合が非限定になるはずだけど、どう解決しているのか。手順に入る。手順はコピペ含みます。
15龍<14 34玉<45 14龍<15 35玉<34 36歩打
この36歩がひとつのキーで、何度も何度も再生する取香駒となる。
同と<46 15龍<14 34玉<35 14龍<15 45玉<34 48香<49 47と<37 同香<48 46と<36 15龍<14 34玉<45 14龍<15 35玉<34 36歩打
こんな感じに再生する。再生するということは消えるわけだが、
45玉<35 15龍<14 35歩打 46香<47 34玉<45 35歩<36 33玉<34 34歩<35 42玉<33 33歩成<34 同玉<42 34歩打 同玉<33 14龍<15 35玉<34 36歩打 46玉<35 47歩打 45玉<46 15龍<14 35香打 46歩<47 34玉<45 35歩<36 33玉<34 34歩<35 42玉<33 33歩成<34
こうやって成り捨てる。ほほう。
同玉<42 37香打 36歩打 同香<37 35歩打 同香<36 34歩打 同香<35 同玉<33 14龍<15 35玉<34 36歩打 46玉<35
香をとらせた。ここから歩稼ぎに入る。龍の王手に香合をして後で歩で取る、というのが限定のトリックだ。そうすれば香への合駒は歩しかない。シンプルではあるが、素晴らしい発明。
歩が香になり、37香から3枚の歩がもらえる。36歩を打ち直すので差し引き1枚ふえた。やったね！
もう1枚歩をもらい、歩を香に変える。
ここから8段目の歩にとりかかる。49香、48と
繰り返すがまっすぐ進む駒しかないので剥がす方法は移動合。
47歩
この歩好きなんですよね。香を取らせるためで当たり前っちゃそうなんだけど。田島秀夫17手7種合の香打金合の裏に香も好きなので、単純にこの形が好きなのかもしれない。具体的な手順は以下ばっさりカットして、2枚のと金を移動合させるまでワープ。
歩を稼ぎ直してこう。
今までどおり歩を香に変えて追ってみるとなんとびっくり戻る歩が足りない。取らせた香を追い払う駒として77歩を活用する必要がある。
47歩、57玉、58歩、67玉
68歩、58玉、59歩、47玉、48歩、46玉
歩稼ぎして、68歩を69に打ち替える。
これは歩下げだ！ 再帰するわけではないので違うけど寿限無っぽい機構。
Aは歩稼ぎ、Bは歩＞香の変換。
こうやって剥がす。88とも同様。
下げて、
下げて、
これだ！
（元の解説と手数がずれたけど手数勘定はfmzaとfmviewまかせ）
さて、そろそろ最終目標を確認しておこう。86とが目先の目標で、はがせたら75とも85玉からはがせる。75玉型で76歩もはがせて、そうなれば65金もはがせる。うんうん。
全くもって間違っていないのだが、作る側としては「歩の数が変わるのに非限定が出ないの！？」となるそうだ。それに挑んで、成功してしまうのだから参りました、と言うよりない。
さて手順に戻る。
下げて、
下げて、今度は歩を稼いでから香に変えて。香車さんおひさ。
99の空間が果てしなく偉い。ここで合駒が稼げるのだ！
予定通り移動合で86とを剥がした。余りそうだった歩は9段目に残る。
歩を下げる。
もう一回。
（87香のところまで）
98歩を活用して、今度は8筋に香。何だこの空間制御。
75とが剥がれた。
（87玉まで）
今度は7段目。走り駒としての使用。わかっているけどやりたい放題。
あとはとどめ。最後に稼ぐのは3枚だけで、金を取ったらばっさりと収束する。
（35玉まで）
惰性で36歩と打つ方針だともう一枚歩を稼ぐことになるので手数オーバーだそうです。いやあ。
最後の香の意味は二歩回避。
無音で収束。
いや、毎度のことですがいいものを見させていただきました。