荻絵作をトレースする

WFP28号を読んでいてたどり着いた第25回神無一族の氾濫の作品。いずれWFPを振り返るの記事中でついでに触れようか、と思って下書きをしていたら長くなった上にノリが違うので独立記事にする。

この作品は99馬で7連合、91馬で7連合、という離れ業を見せてくれる。素晴らしい作品なのだが、今回は作意手順の紹介ではない。下記の解説の話題だ。

無粋ではあるが「来た道を逆戻り」の説明をして分析して、あまつさえブログに乗せてしまおう。来た道というのは1筋のことだ。1筋の歩の王手に対して下段に戻る。歩で追って、馬もいて、歩成もできる。それを詰まないようにせよ、というタスクだ。おぼろげな当時の思考をトレースしたため穴もがっちりとはつぶしていないし途中迷走しているのでその旨了解あれ。

噛み砕くと、「……33馬、11玉、22x、……、12歩、同玉、13歩、同玉、14歩、同玉」という作意設定に対し、12玉という応手がある。これが逆戻り。33馬もいて14歩から下段に落として詰まない仕組みを作れ、ということになる。

紛れ候補:「13歩成、11玉、22とまで」 22に効きが必要
紛れ候補:「13歩成、11玉、12歩、同x、同と以下xを取って詰み」 12歩を打歩詰にする

これを解決するのに絶対と思えるのが21飛。すると今度はこう。

「14歩、12玉、22馬、同飛、13歩成、11玉、22と」と飛車を取る紛れが生じる。
それを逆王手でかわす32王。

今度は22に効きが増えたので「……22と、同飛、同馬」をなんとかしないといけない。32に王がいるので23金。

いやまて、そうすると馬で23金を取って簡単だ。そもそも馬が横に動くと終了だ。最初から馬のピンは必須だった。

飛車を取られてはおしまいなので2筋に壁を立てる。22とも消さないといけないし、13と11玉12歩も防がないといけない。じゃあ21飛はやっぱりいるのか。

ぬぬぬ。いや、さすがfmzaと思おう。結局23を埋めねばいかんのか。てか移動合してあいたとこに移動合するのおしゃれだな。

これでやっと詰まない。でも22合がはいらなくない? じゃあ1筋に受方駒をおいて移動しよう。22へ移動だと取って終わるので23金に逆王手にならない金が移動する形に限定されるはず。この辺答えを知っているから自信ないなあ。えーと、ともかく収束用ユニットをとりあえずつけて、

これでどや。

やった!

あれでも、馬がピンされて連続合にならんな。じゃあ34に遮蔽駒が必要か。ほなと金おいて、

あかん、移動合する必然性が全然ないわ。ほな渡すために成桂か。

ほっほー、トレースとはいえ連続合が再現できた、気持ちええな。しかしこっから19に落としてまた7連合につなげる発想えげつないな。私なら99馬から始められたらそれで満足してしまいそうや。なんやしらんけどエセ関西弁になっとったわ。  

それにしても思っていたより配置の絶対性が高い。別の配置があったら新作になりそうだけど、見落としあったかな。

そんなに創作をするほうではないけれど、これくらいの追跡も面白いですよ。レッツfmza

さて実はもう一つ課題が残っていて、そちらは私は解決出来なかった。冒頭の引用の中の、「最初の馬を盤上に残す」という記載だ。馬を残す理由は、2回目の7連合で角を合駒されないためだ。逆に言えば、7連合一回だけなら馬を消しても良い。というわけで、私に解決できなかったのはこれだ。

11玉に対する99馬の王手に対し7連合をする図面を作図せよ。7連合のあと、馬を消すこと。

馬を消してよければもっと自由に舞台設定をできるはずなのに、逆にひとつもトレースできなかったので、課題として提示しておこう。