WFPを振り返る:94

効き二歩についてちょっと考え方を変えた。有効でも無効でも面白い作品はあるので、そういう観点ではなく、どちらがナチュラルだと思うか、という話。今までは「玉を取って二歩はナシ」だったのだけれど、それなら成禁で2段目の歩は1段目の玉を取れないはずだし、何ならピンされている駒で玉を取ることもできないとも考えられる。

さらに詭弁じみてくるが王手放置して関係ないところで逆王手をかけられたら玉が取れないと解釈する余地すら生まれる。なるほど、fmzaで効き二歩無効を「二歩王取無効」という「特殊ルールですよ」的な表記をするのもわかる。拡大解釈をすると一生王が取れない。

ということで有効の方がナチュラルという考えとなりました。さてさてWFP94号から。

合駒を取るのでどうしたって29が空く。これを埋めるのが角ではなくてグラスホッパー。まあ言われてみれば角を打たせる暇などない。1筋の埋め方も同飛ではなくてグラスホッパーの王手に踏み台の飛を逃げて実現。G合2回で楽しめる啓蒙作。

食わず嫌いよりのルールだが、多分解いて楽しいのはこれくらいなのだろう。3手かけて角を66に戻すのが面白い。uncapture(取りを戻す)が強いためなにかしらの持駒制限をしないと作図は厳しそう。

ともかく打った駒を自分で取ってしまう。その味が全て。n香に合駒の余地があればなあ、とは思う。でも最終手が合駒枯渇なのでどうしようもない。

で、自分でn駒を取るシリーズで合駒を考えなくてよいのがこちら。このほうがしっくりきます。余詰消しにフェアリー駒。最近は見慣れてきた手法ではあるけれど。簡素図で、標準駒でも割と簡単に消せるこの図では抵抗がある。

最近(4,5)リーパーを使った図を自分で発表したのもあって親近感。詰め上がりが明快な親切設計。

しかも(4,5)リーパーの動ける場所は狭いので駒を動かし始めればもっと簡単。たのしくやさしい作品です。