WFPを振り返る:104

WFP104号から。割と解答状況が厳しい作品展。なるほど難しい。読んでいてnアインシュタイン駒/カメレオン駒という電波を受信したが、なかったことにしよう。

 これは解いたのをよく覚えている。9段目の香飛香が見えたためそれなりの苦労で解けた。香を調達する都合で73成香を先にさばいておかないといけない。1筋ずつ処理していくのではなくてパラレルに処理していくのが面白い。

 トーラスナイト。なぜそんな駒で作図しようと思ったのだろう。解く気にはまったくなれないが、その動機づけには興味がある。Roseなんかもその部類。まあ理屈ではトーラスナイトの上下左右1or3マスにトーラス盤と仮定した上で銀を置けばいいしそうするしかないのだがそれでもなあ。ナイトでも背伸びしている感があるのに。

 金でも状況はだいたい同じで、上下左右をそれぞれ1枚の駒でおさえることになる。左右に効きを持つ位置が対称ではないので事情はちょっと変わるけど、まあ誤差だ。いずれにしても詰め上がりが対称っぽい配置になるのは必然だったりする。

 そのナイトでこう。逆算すると17銀という目標が分かる。そして解説にあるとおりなるべく銀直はしたくない。もう一度銀直が必要になるからだ。収束で17にいることになる銀以外に銀直をするがあったらかなり意地悪感があるが、幸いそれはなかった。それでも十二分に難しい。もうちょっと理屈に傾いたほうが好みではある。

 グラスホッパーに慣れるための教科書的問題。身についているほど覚えているわけではないが、G3枚で玉を追い回すことができる、というのはグラスホッパー界では基礎知識。たぶん。しかしそれを制御するのは難事業。

 理由と事例はこちら。作意はなんと歩の打ち直しが入る。まじかよ。でも早詰・余詰あり。fmza先生が教えてくれた余詰筋では歩が成る。じゃあ成禁……でも作意を捨てて取禁でも駄目だった。というわけで、変寝夢氏作は完成度が高いのだ。

 この号ではこれは癒やし枠。4手目13金さえ見えれば手なりで解けるだろう。こう、作者側がどこまでも突き進むのは気持ちはある程度理解できるけど、シンプルなルールはやはり落ち着く。ただ、その「シンプル」の基準が私もおかしくなってきている。

 もうひとつの癒やし枠。今年の漢字「金」だそうな。解説にある8段目に歩を並べる案も、「みんなかね(と金)になる」と思えば悪くないと思う。いずれにしても、不規則趣向が起きようがない形で、実際そのまま詰む。下段での密集系といえば思い出すのはPWCの2作。

 かわいいほう。作例1

 かわいくないほう。第3回PWCばか詰作品展。WFP開始前の作品なので初めての方はぜひ。