WFP107号から。Fairy TopIXからは引用せず。先読みしていると当該号で取り上げがち。
合駒は1枚しか発生しない。合駒の上に玉を載せてもさすがに飛車2枚や角2枚では包囲網は作れない。じゃあ玉移動だ。しかし玉を一回動かしてもまだどうにかなる気配がない。まてよ安南だ。王を配置した瞬間銀か飛に化けさせることができる。1筋で銀に化ければ腹王で詰みそうだ。そして解決する。飛車に化けても行けそうなのだが、銀は横に効かないのでこちらは残念。
Paoで王手をかけるには、47に踏み台を用意するのは早そうだ。その踏み台が飛車なら、45包、37飛成が有力だ。58角を発生しておけば実際にそうやって詰む。Qでぱきぱきと合駒を出し、包でとどめ。Qは飛角と違ってピンを解除しながら合駒を請求する王手がかけられるのだ。なので、8手でなくて6手で済む理由はPaoの採用ではなく、Qの採用だったりする。
実際、Paoの変わりに銀を持たせて45を塞いでも余詰はあるが同様の手順は成立する。でも、75飛を置く余詰を消しつつ45封鎖と飛車移動が1枚で行えるPaoの採用は上手いと思う。
駒取りを含む繰り返し手順を行うとImitatorが動く。言われてみれば当たり前のこの事実が趣向になる。これが大発見で、Imitatorでも並べて楽しい作品が作れるのだ、ということを示してくれた。都合のいいImitatorと都合のいい持駒が同期するように最小公倍数原理も登場して、魅せ方も完璧。いいものを見せていただきました。
実戦形を意識させる形から、全ての駒をさばいてピンメイト。いいじゃないですか。WFP作品展ではあまり見ない向きの作品だけれど、こういう作品も大事だ。今はWFP作品展や詰パラだけでなくフェアリー入門や駒井めいさんの活動といった発表場所もあるし、詰将棋メーカーもある程度適応できる。ブログで出しても昔よりは見てもらえる(数字はひみつ)。悪くない。
とにかく上部がすかすかな王。76を自駒の空き王手で塞ぐという発想ができないとどうにもならない。角を2枚用意して88金>77金>76金と連続空き王手する光景は鑑賞してもいいものだ。
教材に使えるフェアリー作品展からは代表してこちら。これもやさしい作品を出す場でしたね。
45に質駒を置くしかないのである意味持駒推理。でもこういうのは既存の形式に落とし込めるのが重要なのだ。そして正解は一番弱い歩だ! ところで、なるべく似た図で、何種類まで出せるかしら。