WFPを振り返る:106

WFP106号から。そろそろ記事の書き溜めがなくなってきました。ほぼ毎日更新はどうなるかしら。

 解説にもあるとおりフェアリーとしてはクラシカルなルール。それでも合駒に対して王手駒で取る手が(性能変化するため)王手にならない合駒には名前がついていない。それくらいフェアリーというのは論じられることが少ない分野なのだ。神無一族が手筋に名称をつけているのは数少ない作品内容の言語化、ということになる。

 手順は銀を捨ててからの飛車の王手に前述の38金合を28で奪い取ってその金で詰める。ところでこの馬金の交換は精算と言ってよいのだろうか。普通は駒を取ってから取られるので、取らせてから取るのはなんだか違う気もする。

 安南の持ち味がでた好作。飛車の移動で攻方の駒の動きが目まぐるしく変わる。16香に合駒は26桂。同玉に包による王手で26桂を据えられる。15玉は16歩で簡単。なので合駒だが、包はデフォルトで合駒が取れない。7段目の飛で包を飛の動きにして取る。それもすぐにはできない。27飛で26桂を飛に変えて15に追い、16歩で14に追い、97飛で桂を元の動きに戻して16(玉は香の動き)に戻す。これで飛車になった包で合駒を取れる。16歩で歩を消費しているので交換だ。

 合駒は歩で、結局一番遠くの86に合駒するのが最善だ。以下繰り返しとなる。最後は角合で、収束乱れはあるが25玉が実現して26桂を飛車にする27飛まで。大変に楽しい。

 鑑賞してしまうと解けてもいいような気がしてくるが、やはりさまよいそうな作。

 81,82,91に踏み台があるとGで王手がかけられる。Gに隣接して合駒をし、隣接してGで王手をする。前述の踏み台を逃げるとGxGの形になって、どちらのGも動けない。また別のラインでGxGを作り、踏み台を逃げる。

 こうすることで、12-62、64-28、94-99のどこかに2枚の守備駒と、最後に逃げた踏み台が残せる。この3枚で自玉を縛ればよい。とはいえ、割と選択肢は多く、たとえば41角、46飛、22飛などの候補がある。実際にはGが斜めに飛ぶ余地が残る。まあ、ここまで考えたら頑張るしかないだろう。

 前の図のほうが理詰めで相当しぼりこめるので、こっちのほうが個人的には大変。Gで自玉を詰めるのだから、王の周りにGをばらまいて稼働範囲を減らすしかない。

 22G,31G,32Gは打ちそうだ。11Gは打つ暇がないかな? とすると玉は左の方へ行く。と考えれば初手55Gのあたりはつけられるかもしれない。22Gを打てば自動的に11が塞がる。その代わりに55が埋まると王の周りのGを打つためには玉移動が4回必要だ。残りは最終手のG打の逆王手で埋まる。

 こんな感じで考えれば解けるのかな、とは思うが、イメージは難しい。

 とにかく性能を歩にする27銀がやりにくい! よくよく考えれば腹銀+歩、銀の後ろを塞ぐという形ではあるのだが。そして打歩詰回避の先打ち、と手順もおしゃれ。良い簡素図だと思います。

 凄く簡単なので癒やし枠っちゃ癒やし枠。打つだけで、玉が逃げたらそれこそお話にならないのでn香を打つのは自然だろう。成らせて再度38に打っておしまい。同一地点n駒連打って何枚できるんだろう。locustに取らせ続けるステイルメイトとかじゃなくて、n駒打>n駒移動の繰り返しとかで。

 23n桂で詰むんだろう。15n桂は16以遠の包で封じて、35n桂は受方35包で防げそうだし、実際そうなる。面白いですねこれ。

 合駒請求問題。三角飛びをするために頭2手が入る。7手で金を取るには9×9の盤面が必要、というのは面白い発見。取るのが飛車ならもっと狭くてもいいのだが。