WFPを振り返る:112

WFP112号から。最近作意を記載することがあまりないのだけれど、読む分にはあったほうが楽なのは分かる。でもWFPを読みに行ってもらいたいというのもあるのでなかなか難しいところ。

ぱっと見て32飛成を試すと21龍を強要される。そこで不成とすると22飛を取らせない23玉に34飛成、12玉。原型から飛車が裏返った。あとは対抗系ルールらしいお片付け。捨て駒を連発して収束。綺麗なものです。

作者は紛れがなくなったというが、解く側からするとなくなってありがたい、という感じ。飛”打”飛合を繰り返すことでImitatorが右下へ動いていく。いいところで桂合に切り替えてとどめ。こういうImitatorならずっと眺めていられる。

n角は99からというのがお約束として、n香合がぴったりと思いつけば頭2手が見える。手触りのいい短編。

王手を続ける方法が包を上下にふるしかないので玉鋸はこれしかないところ。リパブリカンのおかげで簡単な収束が得られたけれど、他のルールで収束を探すとどうなるのかしら。

対抗系ルールなので変化(最悪詰は攻方が変化)にこだわったという。つまり読みを要求するタイプの作品なわけだ。個人的にはそういうのがあまり好みではなくてフェアリーに傾倒した過去があるので、無条件に肯定するものではないけれど、試みとしては納得できる。それでもまあ、難しさは目的ではなくて結果であって欲しいかな。

数学は変化に隠した作品。作意ではX:覆面ライダーを(3,0)ライダーとして打つ。鬼を打たれる変化では十分に大きな双子素数を持ってきて対応する覆面ライダーを打って早詰。双子素数が無限に存在する仮説を利用したもの。

禁欲ルールは初手鬼打の変化に対して、片方の零にだけ王手をかけるX打に歩合をしたときに歩を取る前に23桂を強制させて逃れるため。禁欲がなくてもいけそうな気はしてしまうが、論理が明快になるし、そもそも作者が設定したのだ、必要なのだろう。