WFPを振り返る:27

WFP27号から。

複合ルールの面白さと難しさを端的に示してくれる逸品。なにはともあれ詰め上がりの予測が難しいが、それでも予測なしでは解けないだろう。62飛のキルケのおかげで取れない王手が、対面のおかげで玉を飛に変えてくれて逃げ場所を大きくへらしてくれる、と気づけばなんどか正解にたどりつけるだろう。取れない飛と玉の向かい合わせは対面キルケというルールに埋まった正解のひとつ、という配置だと思う。

ではそれをどうやって実現するか、73をどうやってふさぐかが次の課題だ。

2段目に飛車を発生させて持駒銀と戯れているうちに正解にたどり着けるかもしれない。では並べてみよう。

52銀打 32玉<41 43銀生<52 42飛打

銀を動かすと飛車の効きが復活する。飛車を動かすと銀の効きが復活する……ん?
23銀生<43 43玉<32 34銀生<23 33飛打

そう、飛車で縛るのだ。でも62飛と33飛の遮蔽駒はずしをどうやって?
同時にやってしまえばいいのだ! 最終手は銀に化けた53飛を62に移動する手だ!
54銀<34 44玉<43 43銀生<54

逆王手にすっとはいる43銀の感触がたまらない。
53飛<42 54銀生<43 62飛<53 まで 14手

想定していた収束へ。美しい。

昔この作品とfmで遊んでいたら限定合2回の図が得られた。

24銀打 34飛<23 13銀成<24/82飛 24玉<14 23全<13 22銀打 34全<23
同玉<24/39銀 94飛打 84金打 同飛<94/61金 同飛<82/28飛 23飛生<28 62銀<22
まで 14手

13手目23飛生の感触をはじめ並べると割と良い気がするが生まれた経緯を考えるとどこにも出せない。でも面白いんだよな、ということでここでお蔵出しすることにした。

Onsite Fairy Mateから第162回出題。さすがに駒を残しようがないので復活位置を塞いで取らせるしかないが、どの順番でどう取らせたものか、最初から途方にくれてしまう。あっさり鑑賞モードに切り替えさせてもらおう。

95飛<55 55香打 同角生<73/91香

まあ取らせ駒として香を出すのは納得できる開幕。
35玉<46 28角<55 95香<91

すぐに取らせる。35玉は銀や角で働きかけやすく、28角もまあ限定されるならここだろう。飛車が処分できた。
24銀生<13 26玉<35 17角<28

銀で一回だけちょっかいかけてから角。つまり歩から。
16玉<26 39角<17 17香打 同飛<18/11香

こっちにも香。こんなんなんぼあってもええですからね。角が銀を処理する絶好の位置に。
同玉<16/28飛 88飛<28

角も処理する目処が立った。後はウィニングラン。
26玉<17 15銀<24 同香<11 17角<39 同香成<15 28飛<88 同杏<17 まで 22手

鮮やかなお掃除。見事なものです。

普段だと33歩の意味をfmzaに尋ねるのだが、推定される検討時間の長さから見送り。またえげつない余詰が出るんだろうなあ。たぶん角。