WFPを振り返る87

WFP87号から。

中合すると取らない手を攻方が選べるのでしまうため普通合、という主張。しかし禁欲の場合は取ることを強制する=手が限定される応手のほうが攻方にとって不都合なことが多いはず。というわけで主張はあんまり響かないかなー、とう点では解説に同意。

ただ面白いかな、というのは「駒を強制的に渡すほうが不利応手っぽい」という作者の感覚で、そう感じてしまうのは伝統ルールの影響なのか、駒を取りにくい禁欲ルールの影響なのか、そのへんの事情を考え始めると伝統ルールと禁欲ルールがぐるぐるしてちょっと楽しい。

強欲回避のための歩不成2回。9段目でついに成らせることに成功して呼びだす。打って変わってこちらは主張が明快。簡素な初形から完成品です。

Locustはとにかく動くたびに駒が減る、という特性があるわけで、それをどう活かすか。この作では取って打ち直す、という形で印象を強め、それからLocustの王手に飛び先を塞いで開く、というやり取りで顔を立てる。なるほど、悪くない。

調べてみたところ蝗表記のLocust作品で蝗が駒を取りまくる作品はないようだ。いや、PWCではあったかな。せっかく駒が減りやすいlocustだ、そういう趣向も見てみたいが、面白くなりにくいのかしら。

一番駒取りが多いlocust作品でこれの3枚。WFP145号解答発表。これも面白く、同一地点2連打を2箇所で行う、やはりlocustでないとできない試み。

Q捨てからQ合。上田作みたいな印象を受ける。フェアリー駒の合駒もいいですよね。

自作をちょっと語っておこう。ブログを始めたときはさっぱり忘れていて、フェアリーデータベースで自作を検索したときに思い出した可愛そうな作品。自作最長手数なのに。

元ネタは神無七郎氏のこの作品。歩をもっとたくさん持たせたい、という方針で攻方の質駒を餌にすればなにかいいことないかしら、と思ってfmに聞いてみたらいきなり完全作が得られた。その後いろいろ弄ってみたが改善せずに完成としたもの。まあつまり作った手応えみたいなのがあまりないので忘れていた、という次第。

新作かどうかには異論があるとは思う。まあいま思いついた言い訳としては大道棋の改作みたいなもので、ということでひとつ。

玉歩を下に落としてと金になったら玉とを右にひっぱって収束。収束ちょっと考えるけどまあ十分「くるくる」。

出題では84歩、93歩は岩(不可侵領域)。難度、動きともにくるくるかなー、と思ってしまうのは否めない。が、普通に作品と見ればなかなか素晴らしい。16飛を11>61>64と展開させる構想も見事だし、そのために毎回馬ノコで28馬型を作らなければいけない、というトリックも面白い。