WFPを振り返る:11

WFP11号から。

第9回作品展より。

PWCに慣れていると解くのはそこまで難しくはないが、なにしろ図が美しい。

まあとにかく仮想図だ。57飛、55飛、同飛/57飛 同飛成/57飛という図を見てもらおう。

この図は詰んでいないが、かなり自玉を縛れている。同飛車でもPWCなので取りが解除されないのだ。残りの3マスを縛るには、と考えれば58角、 59角が自然に浮かぶだろう。

つまり、59飛、58角、同飛/59飛、57角、同飛/58角、57飛、55飛、同飛/57飛 同飛成/57飛まで8手だ。

最初に「そこまで難しくない」と書いたが、いや、双裸玉の、それも自玉詰で難しくないってむしろ美点じゃなかろうか。良い作品です。

同じく第9回作品展からもう1題。

これも優しく/易しく楽しい中編。歩で左に呼びたい。7段目に玉を追うと87飛を強制される。それだけで趣向が成立している。

歩を打って、玉をできれば左に寄せて、強欲条件があればそれにしたがって、と進めるだけ。

19歩打 28玉<18 29歩打 19玉<28 28歩<29 同玉<19

玉が1つ左に寄った。一気に寄せる。

29歩打 38玉<28 39歩打 29玉<38 38歩<39 同玉<29
39歩打 48玉<38 49歩打 39玉<48 48歩<49 同玉<39
49歩打 58玉<48 59歩打 49玉<58 58歩<59 同玉<49
59歩打 68玉<58 69歩打 59玉<68 68歩<69 同玉<59

78まで続けることもできるが、68までが正解で、ここから収束に入る。
69歩打 77玉<68 87飛<89

これはこれで不安になる持ち駒だが、手なりで進める。

同銀生<98 89桂打 76玉<77 77歩打 85玉<76 97桂<89

ここまでくれば安心するかな。おしゃれに銀を成らせて詰。

95玉<85 96歩打 同銀成<87 85金打 まで 43手

左側の配置はかなりよく出来ていて、当時もこの稿を書くときもいじってみたのだけれど手段を問わなくても別収束は見つけられならなかった。まあそれは私のセンスや根性がないだけの可能性が高そうだけれど。