WFPを振り返る:23

WFP23号。巻頭言の第31回神無一族の氾濫より

桂の山。強欲。飛車で掃除して隅っこで詰みそう。いや、実際詰むのだが、これが非常に難しいのだ! 見た目以上に分岐が多く、やみくもに駒を動かすと「こらあかん」ということが判明し私みたいにあきらめることになる。

手順を追ってみよう。

99飛打 88玉<98 98飛<99 89玉<88 99飛<98 78玉<89 79飛<99 68玉<78 69飛<79 77玉<68

このへんでやばい密林に踏み込んでしまったことに気づく。なんでこのタイミングが限定されているの!?
79飛<69 87玉<77 77飛<79 86玉<87 87飛<77 76玉<86 86飛<87 67玉<76 87飛<86

こうなって、
58玉<67 88飛<87 57玉<58 87飛<88 66玉<57 86飛<87

よし、桂が跳ねられる! とか一瞬思うが取ると飛車が消える。
57玉<66 87飛<86 48玉<57 88飛<87 47玉<48 87飛<88 56玉<47 86飛<87 76桂<64

やっと憂いなく桂が取れた。あとは収束。
同飛<86 47玉<56 77飛<76 38玉<47 78飛<77 37玉<38
77飛<78 28玉<37 78飛<77 27玉<28 77飛<78 16玉<27 28桂打 まで 47手

そう、長編にありがちなのだけれど作意を並べるとそこまで難しそうに見えないのだが、どの桂を取りに、どういう経路で向かうのか、というのが非常にややこしく、計画性を持ってルートを立てないと簡単に遭難する。手順を眺めたうえで、あらためて解こうとしてみると分かる。迷路タイプの強欲の傑作。4段目の桂2枚であっさり”桂打合”の余地が消えているなど、配置も奥が深いです。

妖精賞の系譜からかわいいこちら。難しくはないがきびきびとした変身が楽しめる。

13角(じゃなかったらびっくりだ)、xx合、同角、xx合か対合……ふんふん、31桂が動かないことには無理だなこれ。王が32に移動する手段はなさそうだし。とするとこうじゃ。

13角、24飛、同角成、23桂!、42飛、41桂まで。

移動合を含む桂対2発で鮮やかに詰め上がる。