WFPを振り返る:24

WFP24号から。

1手詰め? コンクールという企画の結果発表があった。伝統ルールの一番ややこしい概念であるところの無駄合で遊んでしまおう、というお話。無駄合概念ありなら1手詰を何手延長させることができるか、というもの。

NAOさん作。この簡素な形から65手も粘るのだから恐れ入る。作図側には手にした無駄合をつかった短縮順をつぶすのが大変な企画でした。なお、WFP35号が私が確認できた最終更新。原型復帰型無駄合のほうは恐るべし、4桁手数!

無駄合についてひとつだけ言うなら、「無駄合をしたから×」という採点だけは好きじゃないなあ。そこは正解でいいと思います。ルール設定が不安定な部分だし。

第21回WFP作品展1番から神無太郎氏作。

Messigny。1手を使って先手駒と後手駒を入れ替えることができる。例えば王手ではないが51玉と53玉を入れ替えることができる。そんなルールでのスターター。玉を入れ替える受けがあるので縦に「玉と王」の形しかなく、それを目指す。

直前の入れ替えを戻す応手を可とするか不可とするかなどの3種のレギュレーションがありちょーっとややこしいルール。

まあこの問題ではそういう問題はない。

52歩打 41玉<51 51歩成<52

これが、 53玉<>41王で

こうなる。52と<51
43玉<53 53と<52 41玉<>43王 42と<53 まで 9手

こんな感じのルール。長編ではと金などをいっぱいならべて延々と駒を入れ替える趣向などができる。

同じく神無太郎氏で同じ盤面、今度は打歩。
52歩打 41玉<51 51歩成<52 53玉<>41王

同じ開幕から、
52と<51 63玉<53 53と<52 72玉<63 73歩打

今度は反対に追う。
41玉<>72王 42歩打 51玉<41 52歩打 まで 13手

中央の還元玉で詰む。2作あわせて発見賞。

これは図面だけ紹介しよう。持駒金と金歩で同手数。このマジックはa)手順では持歩があることで禁欲が枷になり駒を取れない、という仕掛け。発想が面白い上に手順もなかなか。

妖精賞からこの作品。
21銀、13玉、22歩、12玉と進めると22歩を移動して21銀の変身解除をする王手がかけられる。
xx歩(成)、12玉、22歩、13玉、xx歩(成)と最大4回繰り返せる。この目的はなんだろう。

ともかく局面を打開する手順はこうだ。
…13玉、14銀、同玉、26桂、15玉、27桂、16玉、15金、27玉、29飛、38玉

ん? 38玉は飛車の動きだから、28歩で詰んでしまう。これは打歩詰だ。……どこで間違った?
というのがこの問題の謎だ。

実はここまでの手順で28歩を打てるようにする方法がある。最初に紹介した手順で生歩を左側に飛ばしておくと、効き二歩無効で逃げ場所が生まれるのだ! さらに、と金を目一杯作っておけば簡単に詰む!

手順はこちら。

どや、という詰め上がり。王手をしているのは88とだけだが、88とにヒモをつけつつ68を抑えているのは28歩=飛、という構図だ。