WFP96号から。
なにはともあれ一間飛車で詰む。品切れ、Isardam、9段目の全てを利用して合駒ができない。氏にしては割と舞台装置が残っているほうだが、この詰め上がりなら金を初形から消しただけで十分だろう。
踏み台がひとつでもふたつでも飛べるDolphinを効果的に使うのはどんな形だろう、というところから考えれば詰め上がりは予測できる。「鯨ー敵駒ー自駒ー玉」という形をつくれば、敵駒がピンできるのだ。この図の作意は斜め一線で、参考図の28銀>とは横一線。横一線のほうは9手で手数がそろわないのと、両王手になってしまい敵駒をはさむ意味がちょっと薄まるので気づいていてもツインにしないのは納得。
何はともあれ10手という長丁場。Gの王手を戻しながらと金を生駒に戻したい。解く立場からは「打」を戻すというのが盲点になりやすいようだ。チェスにはない逆算なので気持ちは分かる。
3×3でちょこちょことGの踏み台になりにいく逆算が楽しい。
いきなり合駒をもらっても筋違い角なので取らずに王手が続かない。それを解決するのは成だ。成れば筋違い角でも王手がかかる。という方向から考えても良いが、28圭37圭から逆算したほうが早いかもしれない。いずれにしても3手目に右の角で合駒をもらうために16角、25角か34角は必然で、あとは並べればすぐ解ける。入門用の好作。